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 久留米つばき園

愛すべきつばき



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古くは万葉集や日本書紀にもその記述が見られると云うツバキは、古来より日本人に親しまれ、利用されてきました。

その堅い木質は武器として使用されたり、花は救急薬・健康茶として、種子は灯火用・外用薬・つばき油として広く利用されてきました。正倉院には邪気や災いを払う「卯杖(うづえ)」として使用されたものが所蔵されているそうです。

その一方で、散るときに花びらが1枚ずつ落ちるのではなく、顎の部分から丸ごと落ちる様から、お見舞いの花としてはタブー視されたり、また、最も親しまれている有名なオペラ「椿姫:原作/小デュマ[Alexandre Dumas Fils]」が有名になるにつれ、その華麗でゴージャスな花のイメージとも相まって贅沢でお洒落(な女)というイメージも固定化したといわれています。黒沢明監督の名作「椿三十郎」では椿がとても印象的な使われ方をしました。

このようにその印象的な花の姿から、人々の生活や文化の中で様々に親しまれてきたツバキですが、日本で園芸植物として様々な品種改良が盛んに行われたのは江戸時代でした。

同時代に確立された茶道で茶花として大変重宝され、それ故に、観賞のための園芸植物でありながら、いわゆる「侘・寂(ワビ・サビ)」の文化の中で語られてきました。



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花言葉がいつからあるのか分かりませんが、1842年に発行されたキャサリン・ウォーターマン[Catherine Waterman]のガイドに、ツバキは「 優柔不断な愛」と記されています。現代では「控えめな愛」「慎み深い魅力」香りのないことが所以だそうです。

海外では、その豪華な花が純粋に観賞用として親しまれ発展してきましたが、近年、海外の品種が多数入り込んで来るにつれ、日本でもその観賞用としての美しさが見つめ直され、多くの愛好家たちによって新しい品種の交配など、さまざまな活動が行われるようになりました。

ツバキは自家受粉が難しく、他の品種の花と交配する性質を持っています。従って一般的な園芸用種子を撒いても、必ずしも親木と同じ花をつけるとは限りません。

このことは、まったく新しい種類の株を人為的な交配によって得られる可能性があるという事で、愛好家を引きつけてやまないのはこんなツバキの性質にもよるところが大きいようです。

今では愛好家の人口は数万人ともいわれています。28ヶ国から2000人以上の会員が国際ツバキ協会としてそれぞれの国や地域で活動を続け、グローバルな交流が広がっています。




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