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 文化の仕掛人 米替誓志の軌跡(16)

■ 16. 本間四郎と團伊玖磨 丸山豊(4)

文化の仕掛人

「どうぞ音楽をお感じ下さい。総てのメッセージは、それぞれの音楽の中にこめられております」音楽家としてはもとより、すぐれたエッセイストとして名高かった團伊玖磨氏の全国21の会場で行われた「DAN YEAR 2000」公演に寄せてのメッセージである。

石橋文化ホールが誕生した昭和38年以来、数々の演奏会を企画実施し、市民に質の高い音楽環境を提供し続けてきた久留米音協だったが、高度成長期からバブル崩壊、企業破綻という時代の奔流の中、人々の価値観の変遷や音楽文化の多様化にともない、徐々に会員数が減じていった。

平成13年1月21日、久留米音協は「その役割を終えた」として最終例会を行う。この例会は久留米と縁深く「久留米は私の第二の故郷です」といってはばからなかった團氏を招き、九州交響楽団により「DAN YEAR 2000」参加公演として実施された。

指揮者現田茂夫、独唱佐藤しのぶ、横笛赤尾三千子。満員の観衆を魅了した交響組曲「アラビア紀行」、交響曲「HIROSHIMA」の演奏後、ステージ上に招かれた團伊玖磨氏は両手を高々と上げて観客に応え、アンコールでは来場者全員で氏作曲の「花の街」を歌うという感動的なフィナーレになった。

中村八大、本間四郎、丸山豊、そして團伊玖磨、この小史にあげきれない沢山の名前がある。その後この地から多くの文化人を輩出し、今も久留米に脈々と受け継がれる音楽文化を創生してきた久留米音協38年の歴史。その解散はひとつの時代の終焉だった。



DATE:Jun.2007 ; on CALCATCH KURUME NEWS [Kurume City]
*カルキャッチくるめ [1992-2008;Kurume City]
ふるさと創生一億円事業を基金として久留米の草の根文化を育て、文化都市久留米を創出していく目的で1992年に設立された。正式名称「久留米市文化創生市民協会」。100人を越す民間ボランティアで構成、自主事業、人材開発事業など様々な活動を行った。2008年3月解散。

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