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 文化の仕掛人 米替誓志の軌跡(15)

■ 15. 本間四郎と團伊玖磨 丸山豊(3)

文化の仕掛人

平成元年は久留米市制百周年にあたり、前年から米替は様々な企画を提案、本間に久留米の音楽団体の連携を持ちかけた。本間は強く賛同し、かくて10月22日、様々なジャンルの地元音楽家たちが集う久留米音楽連合協議会が発足する。

翌年の市政百周年記念事業「市民大合唱・筑後川を歌う会」の募集には267名もの希望者が集まった。米替はさらに文化センター創設者、石橋正二郎が久留米市誕生と同じく生誕百年を迎えることから、何らかの顕彰活動を行うべく「生誕百年祭」の実行委員長をと丸山豊に持ちかける。

「米替さん、一回切りではダメですよ、続けなければ」

こうして丸山豊を会長に『石橋正二郎顕彰会』が発足した。

元号が昭和から平成に変わった翌年4月には、團伊玖磨への最後の委嘱作品となる合唱組曲「筑後風土記」が音協合唱団により披露された。同年6月、丸山豊は日本現代詩人会より「先達詩人顕彰」の栄誉を受ける。

米替は市政百周年音楽祭とともに丸山豊の受賞記念祝賀会を企画する。夏の水の祭典では、テレビ局の企画で法被姿の神輿の子ども達とだご汁を食べる元気なシーンが放映された…が、その直後の8月7日、丸山は渡欧中に急逝、誰もが待ち望んだ祝賀会は急遽追悼の偲ぶ会となった。

文化ホールで行われた告別式では、本間の指揮で千三百人が追悼歌として名曲「筑後川」を合唱、最後の別れを惜しんだ。偲ぶ会がきっかけで建立された詩碑は今も静かに雄大な筑後川を見つめている。 (続)



DATE:Apr.2007 ; on CALCATCH KURUME NEWS [Kurume City]
*カルキャッチくるめ [1992-2008;Kurume City]
ふるさと創生一億円事業を基金として久留米の草の根文化を育て、文化都市久留米を創出していく目的で1992年に設立された。正式名称「久留米市文化創生市民協会」。100人を越す民間ボランティアで構成、自主事業、人材開発事業など様々な活動を行った。2008年3月解散。

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