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SAIJIKI in kurume
くるめの歳時記
■高良大社例大祭 [高良山くんち]
10月9-12日。筑後一の宮であった高良大社の年内最大の大祭。獅子舞や風流などの伝統文化、弓道大会や各種武道の奉納演舞でも賑わう。
この高良玉垂宮の創建は、履中天皇元年(400)と伝えられ、寛平九年(897)には正一位を授けられ、また延喜式内の名神大社として高い地位にあった。中世にはその勢力は国司と拮抗するまでになり、南北朝のころは征西将軍懐良親王の祈願をうけ、山下に征西府がおかれる由緒ある社である。
現在の本殿、弊殿、拝殿は、久留米藩主有馬頼利(三代)の建立で、いずれも重要文化財。また、社宝に「紙本墨書平家物語」(重要文化財)、「絹本著色高良大社縁起」(県文化財)などがあり、山中の孟宗金明竹(国の天然記念物)や高良山神眥石(国指定文化財。史跡)なども貴重なものとして保存されている。
*quoted from © East Side Street Kurume,October 2000
獅子舞というと、ひと昔前は正月に各家庭をまわっていたのを思い出す。鳴り物入りで、家の中まで入ってきて、子どもの頭にがぶりと「歯打ち」の儀式をやっていたものだ。
おっかなびっくり、中には泣き出す子どももいれば、にこにこと笑いながらそれを見守る大人達・・・日本の代表的な風物詩といえるだろう。
10月9〜11日は高良山くんちが行われる。正しくは高良大社例大祭。くんちは「おくにち(御九日)」がなまったもので、九月九日(旧暦)のことを指す。高良大社では様々な催しが行われるが、その中に高良山獅子舞が登場する。
高良山の獅子舞は高良山同志会という地元の有志の会によって継承されている。結成は明治初期というから、ゆうに100年以上の歴史がある伝統芸能だ。一昨年には久留米市の無形文化財にも指定された。
どちらかというと、民俗芸能というよりは神事の趣を強く残し、舞の動きも比較的緩やかなものになっている。奉納のための舞ということで、赤、黒の二頭の獅子は誰もその重さを計ったことがないといわれているが、高良山同志会の会長を務める渡辺さんによると「実際、一般の獅子舞と違ってものすごく重いものです。大体、40〜50kgは有るのじゃないでしょうか」
道祖神として先払いを務める「猿田彦」の面をかぶった者が、これは一種の杓(しゃく)の意味だろうか、金明竹の先を割ったものをがしゃがしゃと打ち鳴らし、二頭の獅子が勇壮に舞う。すばらしい文化遺産だ。
高良山獅子舞はおくんちと正月に行われるが、要望によっては様々な場所へ出かけて、舞を披露することもある。ご自身で15年前「へこかき祭」を復活された渡辺氏は、仕事の傍ら、大変熱心に活動を続けられている。
「100年以上も前の様々な文献もあるのですが、誰もまだ集大成としてまとめた事が無く、今では正確な由来など一部不明になっているところも有るんですよ。少しづつ調べて、出来るだけ正確な継承が出来るようにしたいと思ってます」
「まつり」は、心の故郷だ。たとえ遠く離れていても、その時期々々に鮮やかに思い浮かぶ、光と影のコントラスト、色、風、空が織りなす郷愁。渡辺氏のように、情熱を持って伝統の継承に努める人は貴重な存在だ。