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SAIJIKI in kurume

 くるめの歳時記

■久留米流し灯篭
久留米流し灯篭

1977年、戦没者の33回忌を機に始まったと云われる久留米の灯篭流しは、戦没者の供養と先祖の慰霊のため、毎年8月15日に行われている。黄色や桃色の灯篭約3000個を川面に流し入れ、在りし日の故人をしのぶ行事である。

紙製の灯篭には、故人と自分の名前に加え、今は亡き家族へのメッセージも綴られている。

下流水域への配慮、そして現実にはすぐ下流の筑後大堰の建設によって、今はほとんど無くなったが、私が子どもの頃は「お精霊さん」と云って、大型の舟に果物など御供物を満載、締め込みひとつの男衆がかけ声とともに陸の上から川の中程まで担ぎ出し、送り火としていた。

父に連れられて何度か見に行ったことがあるが、その様は勇壮とか、面白いとか云う感情よりも何処かもの哀しい風情として記憶している。一番新しい記憶は、たぶん小学校低学年の頃に亡くなった祖母の送り火だと思うが、子ども心にも、優しかった祖母への郷愁を感じていたのだろう。

人はこころで生きているものだな。